
第2次大戦のイタリア軍ジェリカンについて
3本の取っ手が付いた燃料携行缶(ジェリカン)を開発したのはドイツ軍であると言われてきましたが、近年ではイタリア軍の発明との説もあります。ただ明確な証拠が無いため、このページではドイツ軍のジェリカンとの比較を混ぜながら、イタリア軍のジェリカンについてご紹介します。
ジェリカン(イタリア語ではTanica:ターニカ。タンクのこと)登場以前、イタリア軍では一斗缶のような形の燃料携行缶を使用していました。これは写真に見られるように、ラックを設けて車輌に積載し使用していた例が確認できます。
その後ジェリカンが登場しますが、ドイツ軍の物と同じく、左右のプレス部品を中央で溶接して作られています。側面にはプレスパターンがあり、底面には凹みがあります。取っ手の取り付け方や、注ぎ口の構造も、ドイツ軍の物と同じです。
また、ドイツ軍のジェリカンと同じく、初期型と標準型が存在します。
初期型ジェリカンは左右にX形のプレスパターンがありますが、少なくとも2種類確認でき、どちらもドイツ軍の物と異なり、文字の刻印は無いようです。
そのX形プレスパターンは、1種類はドイツ軍の初期型ジェリカンとほぼ同じ物、もう1つは写真の物のようにXの上部後端の高さが前端とほぼ同じで、凹みの深さや幅も印象が異なります。細かな点では、取っ手の形状が、標準型とはやや違っています。
写真の固体は、オリジナルと思われるGiallo Sabbia(ジャッロ・サッビア:イエロー・サンド)に塗られています。
標準型ジェリカンのプレスパターンは、四角の4隅から上下左右対象に線が延びたデザインで、ドイツ軍の物と異なり、上下左右に対称形となっています。
左側面には上から
− 20LITRI(ヴェンティ・リートゥリ:20リットル)
− R.E.(Regio Esercito:レージョ・エゼルチート:王立陸軍)
− C又はI(生産工場を示す記号と言われている。他の文字も有るかも知れない)
− BREVETTATO(ブレヴェッタート:特許)
の刻印があります。
R.E.の他にR.A.(Regia Aeronautica:レージャ・アエロナウティカ:王立空軍)の物もあるようです。BREVETTATOの刻印は、イタリア軍の発明であるかの印象を受けます。
ドイツ軍のジェリカンと同じく、細かく見るとその外形は製造工場によって微妙に異なっており、写真の物は、キット化された物と比べると、側面から見たときに取っ手下側の本体のラインに違いが見られます。また、刻印の書体も一部異なります。
水用ジェリカンとしての使用については、初期型では確認していませんが、ドイツ軍でも一部で「W」の文字を書いて使われていたことを考えると、可能性が無いとは言い切れません。
ただし、別にアルミ製の5リットルと20リットルの携行タンクがあったので、使い分けていたのかも知れません。
標準型ジェリカンは、ドイツ軍の様に燃料用/水用と分けて製造されていなかったようで、写真のようにACQUA(アックア:水)と書いたり、側面のプレスパターンの凹み部分を白く塗ったりして識別していました(北アフリカにおけるAS42 サハリアーナの写真が有名)。
写真の固体はほとんど錆びていますが、Grigio Verde(グリージョ・ヴェルデ:グレー・グリーン)に塗られ、ACQUAの部分は白で塗られています。記録写真でACQUAと書かれた物が、なかなか見られないので、標準型の極初期に作られただけかもしれません。
初期型ジェリカン
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標準型ジェリカン
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関連項目
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ドイツ軍 |
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